アラートメールの自動化から考えるシステム運用・保守の改善(2/2)

運用管理

アラートメールの自動化から考えるシステム運用・保守の改善

前述したように、システム障害の長期化のリスクを恐れてアラート条件を厳しく設定するため、設定条件を厳しくするにつれアラートメールは増加します。

増えたアラートメールをあらかじめ分類してくれたら、担当者はどんなアラートが発生したのか把握しやすくなり、対応の早さにもつながります。

対応が後手に回らなければ、障害が発生しても最小限のリスクで済み、クライアントや顧客への影響も少なく済みます。
このように、アラートメールの自動化はシステム運用・保守にとって欠かせないものと言えます。

監視サービスからのアラートメール取り込み

監視サービスからアラートメールを取り込むと、どうなるでしょうか。
システムで何らかの異常や予期せぬ変化が発生すると、監視システムはアラートを出します。一部の監視ツールには、そのまま担当者へ知らせるのではなく、いったんアラートメールの中身を自動で精査し、あらかじめ担当者に知らせなければならない重要なものだけをピックアップして、担当者へ伝達する機能を持ったものもありますが、Zabbixではこうした機能がありません。

そのため、大量にアラートが発生してインシデント管理と連携するだけでは大量に出たアラートがチケット登録されてしまいます。結果的に、担当者は内容確認と選別に時間を割くことになり、大きな負担です。
この場合、ZabbixとSHERPA-IRを連携することで、Zabbixの弱点である大量のアラートが発生することを防ぎ、特定の文字や言葉を含んだものだけをフィルタリングして、担当者へ届けるようにすることが可能になります。

SHERPA-IRにはアラートの内容解析をはじめ、アラート内容には無い障害対応に必要な情報の追加、条件による処理の判定、通知などの一連障害対応の効率化が図れる機能がありますので担当者の負担を大幅に軽減できることが期待できます。
軌道に乗るまでは担当者が確認する必要もありますので、一時的に手がかかることも考えられますが、軌道に乗れば定期的な見直しと、ルーティンでそのほかのアラートメールに見落としがないか確認するだけでよくなります。

担当者の一次的な作業量が減れば、より重要な業務へ時間を割くことができますし、重大な障害が起こっても迅速な対応がとれる体制となります。
ひいては、クライアントや顧客からの信頼を得ることにもつながっていくのです。

SHERPA-IRとは

SHERPA-IRは、アラートメールの制御をはじめとして多種多様なシステム運用監視ツールやログシステムなどの異なるフォーマットのアラートメールを所定のフォーマットにして取り込む変換機能や、取込んだメール内容を解析し、どのような処理を行なうのか、各種のインシデント管理ツール、ジョブ管理システムなどとの外部連携をおこないます。
また、アラートメールの内容だけでは、障害対応を行なうには不足している情報例えば、その内容に関連した担当者情報や障害対応手順書などの情報の追加もできます。

システム運用・保守の現場が抱える課題に対する業務改善を、今までのシステム運用環境を活かしながらよりよいものへ進化させるお手伝いをいたします。

SHERPA-IR機能「解析」
SHERPA-IRの機能の“解析”は、アラートメールの中身をしっかりと分析します。どのような内容なのか、障害の種類や重要度をあらかじめ登録した条件や設定から読み取り、障害内容を解析する機能です。
SHERPA-IRの機能「振り分け」
SHERPA-IRの機能の“振り分け”は、前述の解析で解析した内容に基づき分類します。
最初から整理された状態で分類されているので担当者もアラートメールの内容確認の手間が格段に省略されます。
これにより障害対応業務へ時間を振り分けることができます。
SHERPA-IRの機能「自動実行」
SHERPA-IRの機能の“自動実行”は、あらかじめ登録した条件に基づいて処理を実行する機能です。
定期的に起きる簡単な作業については担当者の手を介さず、SHERPA-IRが代わって自動実行してくれます。
定期的な簡単な作業の自動化は、担当者のモチベーションの低下を抑制し、作業ミスを大幅に削減することで、安定したシステム運用・保守へとつながります。

SHERPA-IRは各種ツールとの連携が可能

システム運用においてシステム障害対応の効率を高めるために各種機器の連携を考えたとき、スムーズにいくのかどうかは大きな問題です。
そこで、各種機器や複数のシステムを総合的に監視してくれるものがあればシステム障害対応の効率化が図れます。その中でもMIRACLE ZBX(サイバートラスト株式会社)はSHERPA SUITEが公式ソリューションパートナーであるのでスムーズに連携できます。MIRACLE ZBXはオープンソース「Zabbix」ベースの統合システム監視ソリューションです。

Zabbixとは?

Zabbix は、サーバーをはじめ、ネットワークやアプリケーションを集中的に監視するためのオープンソースの統合監視ソフトウェアです。
統合監視に必要とされる監視・障害検知・通知機能といった機能が特徴となっています。
Zabbix は、監視対象となるWindowsやLinux osのサーバーに対応し、TCP/IPネットワーク環境を監視・制御するための管理用プロトコル:SNMP に対応しているため、Zabbixがあれば多種多様のシステム全体を総合的に監視できるようになります。

Zabbixがシステム全体をくまなく監視し、さまざまなエラーや問題を即座に検出してくれます。SHERPA-IRは、Zabbixが検出したエラーや問題を素早く分析・分類して担当者へ通知するものと自動でSHERPA-IRが自動で返信等おこなうものにアラートメールを仕分けてくれます。

SHERPA SUITE導入のメリット

SHERPA SUITEとZabbixを連携することで、システム監視からアラートメールの分類・通知まで一気に自動化できることになります。
担当オペレータの負担は大きく減り、現場の抱えている悩み解決の一助となることが期待できます。
SHERPA SUITEはシステム運用・受け付けたアラートメールをはじめとしたエラー履歴の管理や記録・担当者が漏れなく対応できるようなスケジューリングまで広く機能を備えています。
煩雑でミスが出がちな作業を自動化することで、負担の軽減・効率化を生むことが可能です。さらには、働き方改革・顧客満足度の向上も期待できます。

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SHERPA SUITE
監修 SHERPA SUITE運営事務局 オープンソース(OSS)を活用した運用管理ソリューションであるSHERPA SUITE(シェルパスイート)の運営事務局です。SHERPA SUITEは、SHERPA-IR(イベント制御)・SHERPA-SM(インシデント管理)・SHERPA-JB(ジョブ)ソリューション群の総称となり、システム運用におけるコスト削減及びサービス品質を向上します。SHERPA SUITEについてはこちら。

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