ServiceNowの使いにくさを解消するSHERPA SUITE連携とは?

運用管理

ServiceNowの使いにくさを解消するSHERPA SUITE連携とは?

IT機器の普及により、DX推進の波が押し寄せています。

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、「進化したIT技術(AI、IoT、ビッグデータなど)を用い、人々の生活をよりよいものに変革させること」、ビジネスで言えば「業務効率化や新たなビジネスモデルの創出を実現させること」を意味します。

多くの企業や組織にとって、DXを推進することは喫緊の課題だと言われています。最近は、社内でDX化を進めるために、様々なツールの活用を考えている方も多いのではないでしょうか。

​​企業の業務においては、現在でも「効率が悪い」「属人的作業に時間を割いてしまう」といったことがしばしば起こりますよね。小規模な事業なら、各人の頑張りでカバーできることもあるでしょうが、ある程度の規模以上になってくると、システムの不備・不具合は、致命的な欠陥にもなりかねません。

このため、企業が導入したいシステムを効率的に使えるように、さまざまなツールが開発され続けています。

「ServiceNow(サービスナウ)」もその一つで、日本の企業でも数百社が導入しています。ただ、「ServiceNow」を使っている方の中には「使いにくい」という声をあげている人もいるようです。

「ServiceNow」の使いにくさを解消するための方法として、運用管理ソリューション「SHERPA SUITE」との連携があります。「ServiceNow」の導入を考えている方、「ServiceNow」の使いにくさを感じている方はぜひ最後までご覧ください。

ServiceNow(サービスナウ)の特徴

ServiceNowは、DX推進のプラットフォームとして注目が集まっているクラウドサービスです。

ServiceNowは2004年にフレッド・ルディが米国サンディエゴで創業した会社で、同名のプラットフォームは日本でも数百社が導入しています。

“機器を揃えてシステムを開発するという煩雑なオンプレミスを脱却し、ボタンを押せばすぐにサービスが立ち上がる世界へ。”

この“ServiceNow”というコンセプトがそのまま社名になりました。

現在のServiceNowは、企業のニーズに合わせたITサービスの改善を実施しています。

カバーする範囲は広大ですが、主な特徴は以下の3点です。

ワークフローの簡素化・自動化

ServiceNowを導入することによって、ワークフローをデジタル化し、顧客満足度の向上や属人的な作業を削減することができます。

例えば、ユーザーサポートも定型業務の1つですが、大事な業務である反面、労力を取られる仕事でもありますね。

企業によっては外部委託などで対応していますが、ServiceNowであれば、バーチャルエージェントによって一般的な問合せに対して自動回答させることができます。

顧客側も、一般的な問い合わせをした際に長い時間回答を待つ必要がなく、自社と顧客のお互いにメリットが生まれます。

問い合わせ管理の業務改善に関する内容を詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

ロケーションを選ばず業務を推進できる

ServiceNowでは、承認者が複数いるワークフローをまとめることや、基幹システムを運用しているベンダーとの情報連携を強めることができます。

社内書類の提出を例に挙げてみましょう。

従来の社内申請プロセスでは、「申請書を手作業で記入」、「上長による承認と押印」、「上長が承認した書類を手動で担当部署に提出」、最終的に「担当部署が手配を行う」といったフローになりますね。

しかし、この手法には申請書の印刷トラブル、上長の不在、担当部署の担当者不在、手配プロセスの遅延など、数々の手間と遅延要因が含まれています。

申請者が申請を行った後、その書類がどこまで渡っているのか、進捗状況を確認することも難しいです。

ServiceNow_特徴

一方、デジタル化による新しいプロセスでは、申請者はネットワークを通じて申請を行い、これにより上長に自動的に通知が送信され、上長の承認が得られます。

その後、申請は自動的に担当部署に提出され、担当部署が手配を行います。

つまり、申請から手配までの全プロセスがデジタル化され、ネットワーク上で完結します。

この変革により、手間が大幅に削減されるだけでなく、申請者は申請の進捗状況をリアルタイムで確認できます。

どこで遅延が発生しているのかが明確になり、解決するために迅速に対応することができるのです。

デジタル化によって、社内申請プロセスがより効率的かつ透明になり、組織全体の生産性向上に貢献します。

また、簡素化・自動化によって属人的な業務を大幅に削減し、できた余裕はコア業務に回すことができます。

このように、ワークフローをデジタル化することによって、どこからでもアクセスできるため、作業をするにあたって、場所を選ぶ必要がありません。

人材の流動化を抑制できる

人材の流動化を抑制できるという特徴もあります。

コア業務に集中できる環境を手に入れることは、ワーク・ライフ・バランスの向上にもつながります。

リモートワークの本格的な導入を考えている企業であれば、ServiceNowは新しい働き方を支援してくれる強力なツールとなるでしょう。

また、社外のWebサービスとの連携もスムーズなので顧客満足度の向上も期待できます。

ServiceNowを導入するメリット・効果

ServiceNowを導入することでどういったメリットや効果が得られるのかについてご紹介します。

システムコストを低減できる

1つ目はシステムコストの削減です。

ServiceNowを導入することで業務システムを1つにまとめることができます。

多くの企業は規模が拡大するにつれて業務に使われるシステムが複数に分かれ、維持費やライセンス費用、システムのバージョンアップなどの保守コストの負担が大きくなります。

しかし業務システムを1つにまとめることで上記費用を削減でき、システムコストの低減につながるとともに、ユーザーや社内ユーザーの業務の快適さや経営品質の向上が見込めます。

業務の属人化を解消できる

ServiceNowを導入することにより特定の人物でしかできない・知らないといった状態をなくすことが可能です。

ServiceNowは「ITIL®」に準じているためサービスの手順や方法を統一し、安定した品質と効率を維持できます。

そのため特定の人物でしかできない・知らないといった属人的な業務をなくすことができ、業務の運用プロセスを統一することが可能です。

これによりエンドユーザーに対して高品質なサービスの提供が可能となります。

ITILに関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

サービスの統合ポータルを実現できる

ServiceNowの導入により、様々な申請や問い合わせに関するフローを1つに統合できます。

問い合わせや申請窓口が別々だとユーザーにはその分の手間が掛かりますが、1つに統合することでユーザーはそこから問い合わせや申請手続きがおこなえるようになります。

そして統合することによりサービスの運用は業務プロセスを元に統一され安定した対応をユーザーに提供できるでしょう。

従業員の業務体験が向上する

ServiceNowの導入により労働環境の改善が見込めます。

業務フローの自動化により手動での管理コストや人的エラーを減らすことができます。

人的エラーが減ることで従業員の心理的ストレスが軽減され、風通しの良い職場環境の実現が可能です。これに伴い従業員の業務エクスペリエンスの向上や満足度を高める効果が期待でき、離職率の低下やロイヤリティの向上にもつながってきます。

ServiceNowの主な機能

ServiceNowの機能面について紹介します。本項目ではServiceNowでできることを6つ解説していきます。

統一的なインターフェイス

1つ目は統一的なインターフェイス機能です。これによりユーザーはシームレスな操作ができます。インターフェイス機能は様々なシステムやアプリケーションでも共通の操作や表示方法を提供する機能のため、PCだけでなくスマホやタブレットなどのモバイルツールでも使用できます。

そのためネットワークに接続できれば、場所を選ばず業務をおこなうことが可能です。

今までは業務をおこなう際、人やモノがある場所に訪れる必要がありましたが、ServiceNowを導入することでそういった制限を減らし、時間や場所を選ばずサービスを利用できます。

また、すべての問い合わせや申請を統一できるポータル機能も提供されているのでこれらの手続きをまとめておこなえます。

シンプルなUIアクション

サービスカタログを利用することによって、ユーザー向けサービスのような利用者にとって分かりやすく、違和感の少ないインターフェイスを展開し、申請する際は迷うことなく数回クリックするだけで手続きができます。

Low Code開発で業務アプリを迅速に提供

ServiceNowではプログラミングコードを使わない、または最小限のコードで優れた業務アプリの開発が可能です。

例えばこれまでExcelやスプレットシートで管理していたデータを簡単に取り込んだり、UIもドラッグ&ドロップするだけで簡単にPCとモバイル画面に設定できたりします。

プロセスを簡単に自動化し統合

「フローデザイナー」と「インテグレーションハブ」を活用することで簡単にワークフローを作成したり、外部サービスとの統合が可能です。

「フローデザイナー」はプログラミングコードを書かなくても簡単にデジタルワークフローを作成することができ、プログラミングができない方でも画面上の操作だけでプロセスフローを作成できます。

「インテグレーションハブ」はすでに構築されているコード不要のコネクターを使用することにより、外部サービスを手軽に自身のワークフローに組み込むことが可能です。

リアルタイムレポート

ServiceNowにはレポート・ダッシュボード機能があり、これらを活用することで全体の業務傾向の確認が簡単になります。

レポートはServiceNowに記録されたデータをわかりやすくグラフ化でき、ダッシュボードではレポートで作成したグラフを同時に複数表示できるため、必要な情報を一画面でまとめて確認が可能です。

リアルタイムレポートを活用することで、業務全体の件数や現在の業務の進捗状況、全体の傾向からサービスの運用状況をわかりやすく数字に置き換え、日々の業務改善につなげる事ができます。

情報の見える化

情報の見える化をおこなうことで情報の共有がスムーズになります。

様々な顧客情報を1つの画面にまとめたり、サービスを構成しているアプリケーションがどう紐づいているのかをわかりやすく確認できます。

また業務内で問題や課題が出てきた場合でも情報の見える化ができれば、共通認識や問題の早期解決にもつながります。

ServiceNowの問題点

ワークフローをデジタル化し、他システムと連携することによって、情報の一元管理や生産性の飛躍的な向上をもたらしてくれるServiceNowですが、当然ながら問題点も存在します。

例えば、実際にServiceNowを使用している方の中には、次のような改善点を指摘している方も見られました。

『ServiceNowを使いこなすための、管理者ではなくユーザー向けのナレッジや事例はまだまだ少ないと感じます。

単純な問い合わせ対応やナレッジ管理は感覚的にできる分、他に業務を改善するために何ができるのか、がもう少しオープンになると非常に助かります。

また、1つ1つのURLが非常に長いため、URL短縮機能などでサッとシェアできると嬉しいです。』

https://www.itreview.jp/products/servicenow/reviews

他にも、以下のような問題点が見られました。

  • 公式ドキュメントでは肥大化するシステムの詳細までカバーできていない
  • 有用な教材が不足しており、特に日本語情報が不足しがち
  • 重複機能が共存している

デジタル化するとあらゆる仕事が一元化できて、あらゆる仕事が楽になって…と想像する人もいるかもしれませんが、実際は肝心なところでは権限のある人間のチェックが必要ですし、複数のシステムを導入すればインターフェースも変わってきます。

また、重複機能がそのままになっていれば、アラートメールが重複して配信される事態も考えられます。

通常、ServiceNowでは、アラートメールなどは「チケット」として管理されます。

しかし、チケットの入力や重複のチェック、あるいは、他システム運用の習熟に時間を取られることは、生産性の観点から好ましくありません。

このような問題点があると、コア業務以外でミスが増える恐れもあります。そうなれば効率化や作業カットのためのデジタル化も本末転倒ということになりかねません。

このような問題を解決する方法として挙げられるのが、「SHERPA SUITE」との連携です。

問題を解決するSHERPA SUITEの導入

SHERPA SUITEは、検知・通知系ソリューションと管理系ソリューションから成る運用管理ソリューションです。

SHERPA SUITEは、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠しているので業務改善に役立てることもできますし、OSS(オープンソースソフトウェア)なのでコスト面でもリーズナブル。

さらに、Redmineがベースになっているので、要望に応じて迅速にプラグインを開発できるなど、柔軟性の高いソリューションとなっています。

SHERPA SUITEには、3つの主要なツールがあります。

SHERPAは探知・通知されたインシデントなどを一元管理できるツールです。提供できるソリューションには、次のようなものがあります。

  • 問題管理、変更管理、課題管理(ITIL準拠)
  • インシデント管理
  • 問合せ管理
  • ナレッジ管理
  • ジョブ実行、コマンド管理
  • 自動電話通知
  • バッジ処理
  • アラートフィルター
  • 申請業務と承認のワークフローを管理
  • 情報共有、連携
  • RPA連携
  • メール一括送信
  • 連絡先管理、自動振り分け

ここからは、SHERPA SUITEを導入するメリットを大きく2点に分けて紹介します。

チケット管理や問い合わせへの自動対応が可能

中核となるのは、インシデントが起きた際に送られてくるアラートを自動でフィルターにかけて振り分け、チケットとして登録する機能です。

この際、適切な担当者を自動で探し出して連絡、対応してもらい、終わったら再びチケットに登録して管理します。

問合せに関しても同様の自動対応が可能で、夜中の緊急通報が確実になるように自動電話通知を利用することも可能です。

特筆すべきは、SHERPAがRPA(ロボディック・プロセス・オートメーション)連携に優れているという点です。

SHERPAでは異なるフォーマットのメールでも、予め定めたフィルタールールに従い取り込み、自動で分析して振り分けることができます。

振り分け終えたらチケット登録されるので、SHERPAのワークフローとはシームレスにつながっています。

これはつまり、ServiceNowやそれ以外のシステムを導入していても、SHERPA SUITEを使えば一元管理が可能になるということです。

オペレーターは、ユーザーフレンドリーなSHERPAの使い方にのみ習熟すればいいことになります。

コア業務に集中するためには、最適なソリューションの1つと言えるでしょう。

課題に合わせて導入できて柔軟性が高い

特にServiceNowを使っている方の問題点として、機能が多すぎて使いこなせないという声もありますので、その点に関して不安がある方もいるかと思います。

先ほど紹介したように、SHERPA SUITEには3つの主要ツールがあります。

しかし、全て導入する必要はなく、抱えている課題に合わせてカスタムすることができます。

例えば、ServiceNowにもインシデント管理や問合せ管理と言った機能があり、そこに流入するインシデントや問合せを抑制したい場合もあります。

そのようなケースの場合は、SHERPA-IRとServiceNowを連携させて課題を解決します。

必ずしもSHERPA-SMを導入しなくてはいけないというわけではありません。

SHERPA SUITEの運用の方法は様々あり、正解はありません。

お客様の業務にあった形で導入することができるのが、SHERPA SUITEです。

課題に合わせて、一番良い組み合わせをご提案します。

ServiceNow導入の際のポイント

ServiceNow導入の際のポイントとして3つ解説します。

ServiceNowの運用体制を整える

1つ目はServiceNowを運用するためにまず運用体制を整えることが必要です。

ServiceNowは便利なツールではありますが、サービスの統合化や今使っているシステムの置き換え・移行、他社ツールとの連携からデータ管理などの運用は全て自社で体制を整えなければなりません。

もし自社でServiceNowを導入するための人材や、ノウハウが足りていない場合はパートナーに相談することをおすすめします。

ライセンスの購入方法を確認する

ServiceNowには様々な種類のライセンスが存在しますが、購入方法は直販かパートナー経由での購入となります。

ライセンス購入だけでなく、導入に関する手厚いサポートも希望している場合はパートナー経由での購入がおすすめです。

社内の研修体制を整える

研修体制をきちんと整えておかないと、ServiceNowを導入してもシステム自体が形骸化してしまう可能性があります。

そうならないためにも、運用者や開発者に対してトレーニングは必須です。

しかし導入したばかりの時期はノウハウ不足の場合もあるため、外部パートナーから研修やスキルトランスファーを受けるのをおすすめします。

まとめ

ServiceNowはDX化推進のために非常に手助けとなるプラットフォームです。

ただ、使いこなすまでに時間を要する、機能が多く持て余してしまうといった声も多いです。

そのような場合、SHERPA SUITEを連携すれば問題点が解消されます。

抱えている課題を少しでも解消できれば幸いです。

SHERPA SUITE
監修 SHERPA SUITE運営事務局 オープンソース(OSS)を活用した運用管理ソリューションであるSHERPA SUITE(シェルパスイート)の運営事務局です。SHERPA SUITEは、SHERPA-IR(イベント制御)・SHERPA-SM(インシデント管理)・SHERPA-JB(ジョブ)ソリューション群の総称となり、システム運用におけるコスト削減及びサービス品質を向上します。SHERPA SUITEについてはこちら。

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