今、最も身近なチャット的な使い方ができるツールと言えば、LINEでしょうか。無料通話やミュージック、ゲームなど、多彩な機能を誇るLINEでは、特に「トーク」というメッセージング機能が有名。トークは1対1が基本ですが、リアルタイムにやり取りができる点ではチャットと同じです。
LINEは現在も様々なサービスを拡張しており、最近では匿名で気軽に使える「オープンチャット」機能が登場しています。これは、特定の話題を扱うグループを作成することにより、「友だち」以外のユーザーとも交流できる機能となっています。LINEは日本国内で月間ユーザー数が約9,200万人(2022年3月末時点)だそうですが、その利便性の高さはもはや生活のインフラと言っても過言ではないでしょう。
一方で、LINEは基本的に個人がプライベートで使うツールですが、ビジネス用途のツールでは求められる機能が変わってきます。
- 〈ビジネスチャットに求められる機能〉
- ▶︎1対1のトーク機能、グループトーク機能
▶︎音声・ビデオ通話機能
▶︎ファイル共有機能
▶︎その他の機能(掲示板、日報、タスク管理など)
現在では、こういった要求に応えるビジネスチャットツールが多数リリースされており、中でもMicrosoft TeamsとSlackは二大巨頭、双璧と言われています。今回はSlackについてご紹介します。
Slackの特徴
Slackは2013年にアメリカでリリースされました。運営しているのはSlack Technologies社。2017年には、日本語版がリリースされています。
ファイル共有が簡単にできること、ブラウザとアプリのどちらからでもアクセスできること、素早く過去のメッセージを検索できることなどは、SlackとMicrosoft Teamsに共通する特徴です。シェア率ではMicrosoft TeamsがSlackを上回っていますが、スタートアップ企業においてはSlackのシェア率が高いという状態が続いています。
当然ながら、Slackはビジネスチャットに求められる機能は網羅しています。ここでは、LINEとMicrosoft Teamsと比較してみましょう。
まず、ビジネスチャットであるSlackでは、正当な理由(裁判所命令や企業秘密の漏洩など)があれば管理者が個人チャットのやり取りも確認できます。LINEでは個人チャットの監視は認められていません。これは、セクハラ・パワハラなどの防止に役立つ特長です。
また、LINEにもグループトーク機能がありますが、管理者を設定することはできません。Slackでは管理者を設定して、退職者などのアカウントを削除し、情報漏洩を防止することができます。
Slackでは入力中の表示がされるのも特徴です。LINEには「既読機能」がありますが、相手が入力中かどうかはわからないため、こちらの入力中に次のメッセージが送られてくることがあります。「入力中」の表示があれば、相手の返答を待ってから返信ができます。
さらに、Slackでは送信した情報をあとから編集することができます。LINEにはこの機能がないので、間違った情報を送ってしまった場合は再送信しなければなりません(Microsoft Teamsにも編集機能が備わっています)。ケアレスミスもすぐに訂正することが可能なので、あとから見返したときに読みやすい状態に仕上げることができます。
Microsoft Teamsとは共通点が多く見られます。例えば、Slackでは新しいトピックを継続的に話す際は「チャンネル」という形でスレッドを立ち上げますが、Microsoft Teamsでは「チーム」を作成できます。共にワークフローの中に「チャンネル」「チーム」のタグが並ぶので、ワンタッチでプロジェクトやテーマごとのチャットに入ることができます。
違いがあるのは細かな点です。まず、Slackでは有料版でも15人までしか同時にビデオ通話ができませんが、Microsoft Teamsでは300人まで参加できます。また、Microsoft Teamsには「予定表」機能がありますが、Slackにはありません。
一方、Microsoft TeamsはWordやExcelなど、Office製品との連携が強力ですが、SlackではGoogleドライブ、Salesforce、Zoomなど、2,400種類を超えるツールと連携することが可能となっています。
SlackとSHERPA-SUITEの連携
最近では、コロナ禍の影響でリモートワークがかなり浸透してきました。そこで問題になってきたのが「メール通知に気づかない」問題です。