近年はさまざまなクラウドサービスが台頭してきており、例えばIT関係の職業に従事していない人でも、iPhoneユーザーになってiCloudにアクセスすると無料で5GBのクラウドストレージが自動的にもらえたります。企業のシステムではインフラとしてサーバーが広く使われてきましたが、最近ではクラウドサービスを導入する企業が増えてきました。テレワークに対応するため、急きょOneDriveなどを利用するようになった企業もあるようです。将来を見据えてクラウドサービスを導入するところも増えているのではないでしょうか。
また、クラウドサービスはオンプレミス(自社でシステムを用意する)に比べて、初期費用やランニングコストで有利とされています。オンプレミスの場合は、以下のようなものが必要になります。
- 物理サーバー
- ネットワーク設備
- サービスに必要なソフトウェアの開発または購入
- サービスを稼働させるための専門知識と技術及びノウハウを有する人材
- 電気料金などのランニングコスト
- 機器の修理やソフトウェアのアップデート など
一方、クラウドサービスの多くは従量課金制になっており、最適なコストで運用することが可能となっています(ただし、カスタマイズ性ではオンプレミスに一日の長があります)。
代表的なクラウドサービスは以下の3つです(世界3大クラウドサービスと呼ばれることもあります)。
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- Google Cloud Platform(GCP)
中でも世界最大のシェアを持つクラウドサービスと言われるのがAWSで、動画や画像などのコンテンツ配信からビッグデータ分析、仮想サーバーの作成、ストレージやデータベース機能の提供、システム開発環境の構築、AI(機械学習)機能の利用などまで可能な万能型のクラウドサービスとなっています。
そして、このAWSで提供されている監視サービス(モニタリングサービス)が、Amazon CloudWatchです。
Amazon CloudWatchの特徴
Amazon CloudWatch(以下、CloudWatch)とは、オンプレミス上だけでなく他のクラウド上に構築したITサービスまで監視できるツールです。大きく分けると、CloudWatchには次の4つの機能があります。
- CloudWatch
- CloudWatch Logs
- CloudWatch Alarm
- CloudWatch Events
1.はAWS上の各サービスのリソースを監視する機能。先に述べたように、他のクラウド上に構築されたサービスも監視することができ、統計情報から様々なデータを得ることも可能となっています。
2.はシステムのログ収集、データの分析や可視化を行うもので、3.はメトリクスやログを収集してメールなどで通知(アラートメールなど)を行うことができる機能。4.はイベント、あるいはスケジュールに従って別のアクションを起こす機能となっています。
Amazon CloudWatchとSHERPA SUITEの連携
企業がAWSを導入する場合はCloudWatchによって監視業務を行うことになりますが、他のプラットフォームを監視することもできます(追加コストがかかります)。他のリージョンの情報もまとめて監視するダッシュボード機能など、API(Application Programming Interface)ではZabbixなどを上回る機能性を備えていると言われています。また、監視対象が増えても自動的に通知を送ってくるPush型である(従来の監視ツールは1つずつ問い合わせして回るPull型。新たに対象が追加されると設定する必要がある)など、使い勝手の良さも備えています。