導入企業

コムチュアネットワーク株式会社(以下コムチュア)は、業界問わず幅広い企業を対象にシステム構築から導入後の運用支援を行っています。同社は技術支援サービスを提供している某大手保険会社（以下、M社）から、お客さま苦情を管理するシステム（以下、苦情管理システム）の保守契約が切れ、且つ利用OSのEOLを迎えている課題の解決を求められ、システム刷新を提案しました。

M社からの開発ベンダー及び製品選定の条件として、
・開発コストを、従来システム導入時と比較して低く抑えること
・利用する社員従来システムに可能な限り近いUIであること
・システムのメンテナンス性を確保し、軽微な修正を内製できること
を挙げられました。
同社では、開発工数を押さえるため、システム要件に近いパッケージ製品を導入し、現行システムのUI及び業務フローに可能な限り近づける方針で検討しました。
その結果、インシデント管理、問合せ管理、ワークフローなどの機能が充実していること、機能拡張も容易であることから、苦情管理システムに応用可能な「SHERPA-SM（SHERPA SUITE社）」を提案しました。

更に、リプレイス後も社員が混乱なく利用できるように、従来システムのUIを大きく変更することなく、情報入力の効率化が実現できる機能を盛り込んだSHERPA-SMのプラグインを開発しました。社員がお客さまとの電話対応をしながら管理システムに入力し易いように、お客さま情報や必要な情報を入力項目から選択し、その選択結果により次の選択肢が自動選定表示されるようにしました。
また、ガバナンス確保の面においても、ログインユーザーに設定する部署ごとに苦情情報の表示コントロールや、権限毎の承認操作を実現しました。

• M社担当コメント：苦労したポイント

  苦情管理業務の洗い出しや従来システムの仕様理解で苦労し、要件定義に大幅な時間を費やしました。しかし基本設計フェーズでは、パッケージ製品としてカスタマイズ性の高いSHERPA-SMの仕様をSHERPA SUITE社が丁寧にレクチャー頂き、綿密にすり合わせができたおかげでスムーズにいきました。
  実装フェーズでは要件の修正が多数発生し、予算が限られている中での修正方法の検討にも苦労しましたが、SHERPA-SMがOSSをベースとしており、REDMINEソースへの修正を行うことなく修正する事が出来たおかげで予算超過を避けられ、リリース延伸も最小限に抑えることができました。

• M社担当コメント：その他に嬉しいポイント

  各工程で入力すべき項目が表示され、選択した内容により自動ソートされる機能や入力誤り・漏れ防止ポップアップ等、社員の入力ミス削減につながる点が良かったです。
  また、起票・承認・入力訂正時に適切な宛先に通知メールを送る要件がありましたが、SHERPA-SMのコマンド実行機能を活用して実現することができました。利用する社員からは、
  ・対応期限が短い案件へスピーディーに反応することができる
  ・通知メールに必要な情報が簡易な内容で記載しているため、確認の手間が省ける
  と好評を頂いています。最近はリモートワークが進んでいるため、通知の仕組みは以前にも増して重要と考えていたので、この機能も実装して非常に良かったです。
  
  あと、REDMINE利用者やシステム部門であれば良いのですが、一般の社員には馴染みのない「チケット」や「トラッカー」という言葉は違和感のあるポイントかと思います。そこを今回開発したプラグインで名称を変更する機能を使い、従来システムで使用している名称にできた為、社員の負荷にならなかった点も良かったです。
  SHERPA-SMは開発者向けのツールではありますが、この機能を活用して様々な情報管理ツールとして導入できるのではないでしょうか。

「SHERPA-SM」は広く知られたスクリプト言語のJavaScriptで画面レイアウトも簡単に作成できるので、今後は、手始めに自社でスクリプトのメンテナンスを行なっていく予定です。導入して３か月余り、既に社員から修正要望も出ていますので、可能な限り内製で対応します。
もちろん、内製では対応できないプラグイン及びREDMINEソースの修正が発生しましたら、REDMINEへの深い知見をお持ちのSHERPA SUITE社の力をお借りして、スピーディーに対応できればと考えています。