リモートワークが普及する中、ビジネス用途のツールでは求められる機能が変わってきています。
〈ビジネスチャットに求められる機能〉
▶︎1対1のトーク機能、グループトーク機能
▶︎音声・ビデオ通話機能
▶︎ファイル共有機能
▶︎その他の機能(掲示板、日報、タスク管理など)
現在では、こういった要求に応えるビジネスチャットツールが多数リリースされており、その1つにSlackがあります。
しかし、チャットでのやり取りが増加する一方、重要な情報共有の見逃しも多くなっています。見逃しを解決するために、送った後に声かけをする方もいるでしょう。しかし、それは手間がかかります。
今回はその手間を無くし、重要な情報を見逃さない状態を作ることができるSlackとSHERPA SUITE連携を紹介します。
目次
SlackとSHERPA-SUITEの連携
Slackの特徴
Slackは2013年にアメリカでリリースされたビジネスチャットツールです。
ファイル共有が簡単にできること、ブラウザとアプリのどちらからでもアクセスできること、素早く過去のメッセージを検索できることなどが特徴です。
当然ながら、Slackはビジネスチャットに求められる機能は網羅しています。
よく使われるチャットツールであるLINEと比較すると、Slackでは入力中の表示がされることが特徴的です。LINEには「既読機能」がありますが、相手が入力中かどうかはわからないため、こちらの入力中に次のメッセージが送られてくることがあります。「入力中」の表示があれば、相手の返答を待ってから返信ができます。
さらに、Slackでは送信した情報をあとから編集することができます。LINEにはこの機能がないので、間違った情報を送ってしまった場合は再送信しなければなりません。ケアレスミスもすぐに訂正することが可能なので、あとから見返したときに読みやすい状態に仕上げることができます。
一方で、Microsoft Teamsとは共通点が多く見られます。例えば、Slackでは新しいトピックを継続的に話す際は「チャンネル」という形でスレッドを立ち上げますが、Microsoft Teamsでは「チーム」を作成できます。共にワークフローの中に「チャンネル」「チーム」のタグが並ぶので、ワンタッチでプロジェクトやテーマごとのチャットに入ることができます。
違いがあるのは細かな点です。まず、Slackでは有料版でも15人までしか同時にビデオ通話ができませんが、Microsoft Teamsでは300人まで参加できます。また、Microsoft Teamsには「予定表」機能がありますが、Slackにはありません。
一方、Microsoft TeamsはWordやExcelなど、Office製品との連携が強力ですが、SlackではGoogleドライブ、Salesforce、Zoomなど、2,400種類を超えるツールと連携することが可能です。
ビジネスチャットツールの問題点
最近では、コロナ禍の影響でリモートワークがかなり浸透してきました。そこで問題になってきたのが「メール通知に気づかない」問題です。
社内で仕事していれば、メール通知を送ったあとで声掛けをすることで、多少の遅延はあっても連絡し忘れることはありませんでした。しかし、リモートワークでは声掛けはできませんし、いちいち電話して確認を取るのも余計な手間がかかります。そこで活用されるようになったのが、Slackのようなチャットです。チャットで「送ったよ」「インシデントが発生したよ」「承認依頼が来たよ」といったメッセージを送れば、メールの見逃しをかなり解消できるわけです。
ただ、メールを送る以外にチャットを操作する手間が増える点では電話と変わりませんし、チャットには検索機能があるとは言え、あとで活用できる形で記録を残そうとすれば、さらに業務は複雑になります。また、そもそもチャットでは情報が重要度別になっておらず、時間と共に流れていってしまうというデメリットもあります。つまり、チャットを見逃すという危険性もあるわけです。
このような問題を解決する手段の1つとして挙げられるのが、SHERPA SUITEの活用です。
SHERPA SUITE導入のメリット
SHERPA SUITEは検知・通知系ソリューションと管理系ソリューションから成るOSS(オープンソースソフトウェア)です。Redmineをベースに開発されており、アラート制御ツール、インシデント管理ツール、ジョブ管理ツールなどでシステム運用管理を自動化できます。
異なるフォーマットのアラートメールも自動で取り込めるので、他システムが複数存在しても統一したインターフェースに落とし込むことが可能です。したがってオペレーターの育成コストが削減できるだけでなく、OSSなので導入コストもリーズナブルです。また、多彩なオプション導入やプラグイン開発も可能となっています。
このSHERPA SUITEにはコマンド通知機能が備わっています。例えばSlackと連携させると、メールで通知を送った際に、自動でチャット通知を行うコマンドが実行できます。SHERPA SUITEでは「チケット」でアラートやインシデントを管理するのですが、チャット通知にはSHERPA-SM(アラート制御ツール)のURLが付いてくるので、ワンタッチでチケット登録をすることができます。また、文章とは異質なURLが記載されることで、チャット通知を視認しやすくなります。
他にも、例えば重要でない案件でチケット更新が行われることを防ぐために、特定のステータスでしかチャット通知が行われないように設定するなど、柔軟な運用が可能です。
さらに、SHERPA SUITEはITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠しているため、任意の記録を抽出することも容易であり、業務効率化に活用しやすくなっています。つまり、SHERPA SUITEを介することによって、情報が流れていってしまいがちなチャットには不向きな記録の蓄積・活用が可能になるということです。
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ITIL準拠も可能な「SHERPA-SM」のインシデント管理機能に関してはこちらをクリック!
まとめ
Slackは多くの企業が活用しているビジネスチャットツールだが、コロナ禍を経てリモートワークを推進している企業では、従来できていた重要なメールを送信した後の声かけがすぐにはできません。チャットで声かけをしたとしても、チャットでは情報が重要度別になっておらず、時間と共に流れていってしまう可能性があります。これらの問題を解決できるSHERPA SUITEはすでにSlackを活用している企業で運用管理ソリューションを新たに導入する場合、有力な選択肢の1つになると言えるのではないでしょうか。